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2人組と言う生き方を選んだKinKi Kids

【推上看到的一篇文章,看了挺感动的。KinKi Kids forever…~!】

2人組と言う生き方を選んだKinKi Kids


   KinKi Kidsの堂本剛さんは先日、こんなことをおっしゃいました。


ジャニーズ事務所に入ったけど、僕も光一も無口、根暗、声が小さい。

関西人なんだからもっと早く喋れと言われ、面白いことを求められる傾向にあった。


自分はどちらかと言うと、話を聞いて何かアドバイス的なことを言うタイプなので、トークで人を楽しませると言うことが分からなかった。


ジャニーズで初めて2人組として売り出されました。

僕も光一も5人組とかだったら端っこにいて喋ってないと思うけど、2人だとそうはいかない。

2人であるが故の色んなことがあって、グループだとそれぞれ滲むけど、「2」は滲まないんですよね。

芸人さんでも、コンビでも、絶対に。



だから周りの人は何かと比べたがるんです。


イェス、ノー、はい、いいえ、これも2つで。

どっちかしかない。


向かい合っていかなければならない。


    “「2」は滲まない ”  非常に残酷な言葉です。人気、歌唱力、ダンス、容姿、演技力、実力・・・全てにおいて比較される人生を彼らは背負っています。芸人であればその欠点を ” 売り “ として仕事に活かすことができますが、彼らはアイドルでありアーティストです。プライドがあります。売りにはできません。


    グループであれば、1人と相性が合わなくても残りのメンバーと信頼関係を築くことができます。1人が歌っていなくても、1人がダンスを間違えても、1人が喋らなくても周りに滲みます。余程その人のことを見ていない限りは分かりません。カメラに抜かれる回数もメンバーが多ければ多いほど少ないです。目立ちません。なんとかなります。


    しかし、2人組は右も左も常に相手が特定の1人しかいません。相手と相性が合わなければ解散するしか逃げ道はないでしょう。1人が歌っていなければ、1人がダンスを間違えれば、1人が喋っていなければ当然ばれます。“「2」は滲まないから ” です。お互いが常に比較対象であり、どんな時でもお互いが全力でパフォーマンスをしなければいけません。


    実際、彼らはデビュー当時から今もずっと「どっちが好きか?」「どっちが歌が上手いか?」「どっちがかっこいいか?」と散々比較され続けてきました。一部の光一さんと剛さんのファン同士の仲が悪いのも、そうやって昔から比較され続けてきた結果だと思います。*1


    剛さんがおっしゃっているように、彼らは「無口」「根暗」「声が小さい」と言う共通点以外、ほぼ正反対です。光一さんはストイックで前向き、はっきりした性格ですが、剛さんは穏やかで繊細、慎重な性格です。


    お互いが同じくらいの能力を持っていれば、ここまで比較されることはなかったのではないかと思いますが、上述の通り、彼らは良くも悪くもどこを取っても正反対なんです。


    剛さんは「だから周りの人は何かと比べたがるんです」と、「周りの人は」と言っています。比較するのはいつも本人達ではなく周りなんです。


    先日、テレビ誌のKinKi Kidsへの質問で「相手より勝っていると思うところは?」と言う質問があったのですが、2人揃って「ない」と答えました。その後、インタビュアーに気を遣ったのか、剛さんは強いて言うならば「感受性が強いところ」だとおっしゃいました。でも、これって勝っているかどうかと言う話になると凄く微妙なラインで、剛さんが言うと尚更、良い方にも悪い方にも受け取ることができるんじゃないかと思ったのです。


    剛さんは冒頭の比べられることについて、ファンの皆さんには「曖昧の美」と言うものを大切にして欲しいとまとめられました。


外国の人は、日本人は曖昧、濁すと思うかもしれないけど、その曖昧さこそが日本人の持つ美であったり、芸術であったり、生き方であったり。


この「曖昧な美」は、言葉や形ではなく伝えにくいものだけど、青を藍色、赤を茜色、朱色、緑色を鶯色とか、日本には間にある色の表現が無数にあるように、はっきりしたものだけじゃなく、「曖昧の美」と言うものをとても大切にしてきた人種だと思うんです。


比べて答えを出すだけじゃなくて、はっきりしない、中途半端という意味ではなくて、「曖昧の美」と言うもの大事にして欲しいと思います。


    何でまた「感受性が強いところ」と言う微妙なラインを答えたんだろう?と思いましたが、その答えが正に剛さんがおっしゃった「曖昧の美」であり、比べて答えを出さない、曖昧にして濁す剛さんなりの優しさだったのです。


    昔、剛さんが「マネージャーの発言をみんなが一斉に責めて直した方がいいって言ったのに、光一は直した方がいいけど、それがあなたの良いところって言ってた」と言ったことがありました。言われた方からしてみれば、結局、良いのか悪いのか分からない、「どっちなんだろう?」と一瞬戸惑うけど、少し救われたようなそんな気持ちになります。みんなから一斉に責められるのを見ていられなかった光一さんなりの、曖昧にして濁す優しさだったのではないかと思います。


    二人ともが同じ感性を持っているから、いくら周りから比較されてもお互いを比較し合うことはしないし、お互いが “「2」は滲まない ” と分かっているから、相手にはないものは自分が補い、自分にないものは相手が補う。口には出さないけど、自然とそうやって助け合って生きているのではないかと思います。


    2人組と言う生き方を選んだ彼らはとても重い荷物を背負うことになってしまいました。人より感受性が強く繊細な剛さんにとっては、背負いきれないほどの荷物を1人で抱え込んでしまった結果、ストレスが身体症状として表れ更に苦しめられることになりました。そして、その穴を埋めるために、光一さんが2人分の荷物を背負った時期もありました。5人組だと残りの4人で1人の荷物を配分して背負うことができますが、2人組だと1人で2人分を背負うことしか方法はないのです。


    それでも、光一さんは辛いとは一言も言わず、「剛が隣で笑ってくれればそれでいい」と言いました。


    辛いことがあっても口には出さない人なので、本当は辛いと思っていたかもしれません。だけど、この言葉に嘘はなかったと思います。


    私は剛さんに向ける光一さんの優しい眼差しがとても好きです。嘘がないからです。光一さんにとっては正面を向いているつもりなのかもしれませんが、昔からずっと気付けば正面がカメラではなく剛さんになっているのです。時には、インタビュアーと正面に光一さんと剛さんが隣同士で椅子に座っていたのに、気付けば光一さんが体ごと真横を向いている時がありました。どう考えてもおかしい図だったので、インタビュアーも怪訝な顔をしていましたが、剛さんが光一さんに突っ込みを入れようともせず至って普通だったので、もちろんインタビュアーが突っ込むことも出来るわけがなく、そのままの図で放送が終わりました。


    光一さんは自分の気持ちを言葉で示すことが苦手です。そんな光一さんのことを剛さんもよく分かっているから、光一さんの一つ一つの表情や行動から気持ちを読み取ろうとします。そうやって何十年もやって来たから、0コンマの光一さんの表情の変化にも素早く反応し理解できるし、「光一が自分に向けてくれる笑顔は他の人とは違う」と言います。


    彼らが他のグループと違うところは、最初に2人で楽曲を作った時から、「この2人だったら良い音楽が作れる」「こいつと音楽を作っていきたい」と2人が音楽を通して一つになったと言うことです。


    今やジャニーズファン以外の方にも多く知れ渡り、本人達が良い意味で一人歩きしてくれたと話す「愛のかたまり」も彼らが22歳の時に製作した楽曲です。


    剛さんは「自分の声に対して誰かがハモる場合、一番相性が良いのが光一で、FとAの間で歌っている時に、光一が下か上でハモってくれる時が一番フィットする。光一もそうだと思う」と言います。これは、決して2人が長年やってきた経験で判断したものだけではなく、偶然にも2人の声質は共通してマイナーであり、相性がピッタリ合うのです。*2  KinKi Kidsの楽曲が全て暗く聴こえてしまうのもそのせいです。


    「たとえ歳をとって踊れなくなったとしても、パフォーマンスが出来なくなったとしても、僕達には歌があるからこの先もずっとやっていける」と彼らが言うように、KinKi Kidsには歌と言う強みがあります。


    2人組と言う人生を選んだ彼らは、命の灯が消えるまで比較され続けると言うとても重い荷物を背負ってしまいましたが、それと引き替えに、血縁関係のない同じ名字の人間とKinKi Kidsと言うジャニーズ初のユニットを結成し、数々のヒット曲を世に送り出し、一つの時代を確かに築いてきました。


    そして、今もなお、自身の持つオリコン歴代1位記録でギネス公認記録でもある「デビューからのシングル首位連続作品数記録」と、オリコン歴代1位記録である「デビューからのシングル首位連続獲得年数記録」を揃って更新し続けています。


    「KinKi Kidsになって良かったことは?」と聞かれると、光一さんは「剛と出会えたこと」、剛さんは「光一と出会えたこと」と話します。2人が出会わなければ、比較される人生を背負うこともありませんでしたが、彼らはそれでもお互いと出会えたことが一番良かったと話します。皮肉にも2人が出会ったことから全てが始まってしまったのです。


    美しくも残酷な運命を選んだ彼らには、そっくりそのまま彼らの運命を表すようなその哀愁漂う歌声で、KinKi Kidsを永遠に奏で続けて欲しいと思います。


*1:KinKi Kidsのファンではなく、オンリーと呼ばれる個人のファンのことです。


*2:山下達郎さん&竹内まりやさん夫妻から別々に、2人の声はマイナーだとお墨付きをもらいました。


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